幼児用の先が柔らかいスプーン
数年前の話ですが、スプーンのボウル(スープとかをすくって口に入れる部分)が柔らか素材で出来ているものが世の中に出始めました
今でも、離乳食用とかの名前で結構お店で見かけます
材質は現在でも扱いが曖昧なTPRとかTPEとかだったと思いますが、食品衛生法の試験をした事があります
当時は、プラスチックなのか?ゴムなのか?良く分からないものだったので、プラスチックとして試験をしました
材質も詳細が明らかになっていませんでしたが、ポリオレフィン系という情報を得ていたので、一般項目に加えて蒸発残留物の試験項目を追加して行いました
その結果、一般項目は基準値を超えることなく、特に心配な数値はありませんでした
問題は・・・蒸発残留物!!
蒸発残留物の試験は、使用される食品の状態によって溶媒が選べる仕組みになっています
溶媒は以下の4種類です
1 水
2 4%酢酸
3 20%エタノール
4 n-ヘプタン
1-3で問題となる数値は出ませんでした
問題は・・・4です
基準値の数十倍ではきかない数値がでました
n-ヘプタンは油分の多い食品の疑似溶媒として使用されています
蒸発残留物は、その溶媒に溶け出して来る物質がどのくらいの量あるか調べる試験です(化学物質名までは特定しない試験)
つまり、n-ヘプタンで蒸発残留物が大量にあるという結果は、この柔らかいスプーンで油分の多い食品を食べると「なんだか良く分からないけど油に溶けるもの」も一緒に体内に取り込む可能性があるという結果です
(なんだか分からないもの=身体に害があるかどうかも分からないので、直ちに有毒とも言えませんがね)
ちなみに、ゴムだけはn-ヘプタンの項目が適用されません
食品衛生法の不思議な決まりです
TPR(またはTPE)がゴムだと言い張れば、法的にはn-ヘプタンの項目が適用されないので、実際の輸入の際にはゴムの項目で通ってきた様子です
だけど・・・
ゴムで油分のおおい食品は食べないということ?
または常識なのでしょうか?
実際にそのスプーンで油分を含む食品を子供に与えないでしょうか?
うーん、疑問だ
ゴムは、種類にもよりますが、特性として油分や有機溶媒に弱いものが多いのも事実です
特に天然ゴムや合成でもイソプレンはイチコロです
私の家では使用する年代で無くなってしまいましたが、離乳食の頃には食器棚にあった気がします
新しい材質って、やはりいろんな検証が必要ですね
PS 今回の話は少々法律の規定があり、ややこしい話となってしまいました
食器の法律についての詳細は食品衛生法の器具及び容器包装の項を参照ください
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